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挨拶はむずかしい

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哲学者梅原猛さんのお別れの会が京都であり、出かけてきた。さすがに京都の大学者らしいお別れの会だった。アイヌ舞踏団の葬送の儀式―歌と踊りと語りーが縄文文化論を唱えた人らしい。  弔辞は4人、みんな活躍中の学者だからさすがに上手い。だいたいは梅原さんとの逸話、知られざる梅原猛的なことを話す。その中で宗教人類学者中沢新一は、真っ向から梅原氏の学問的業績を分析して聞かせた。ちなみに愛知万博のテーマ「自然の叡知」は、彼のつくったコピーである。  作家の丸谷才一に「挨拶はむずかしい」という本がある。この本を読んで一番驚いたのは、結婚式のスピーチその他自分の話す中身を、予め書いて準備しておくということだった。座談の名手でさえこの謙虚さである。見習いたいと思いつつ、いつも付け焼刃で後悔している。 (2019.4.24)