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富嶽三十六景

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 富嶽三十六景は、江戸時代の天才版画家葛飾北斎の代表的作品である。大波の向こうに見える小さな富士、などの大胆な構図は彼ならではのものである。  富士山には月見草がよく似合うといったのは太宰治。彼は山梨県天下茶屋滞在中に、黄色い月見草越しの富士を見て書いた。ただし月見草は薄紫の花で、黄色いのは待宵草(まつよいぐさ)である。どちらも明治初めに入ってきた外来種で、よく混同される。  最近は東京からも富士山がよく見えるようになった。冬は空気が澄んでいるせいか、とくによく見える。羽田空港行きのモノレールから、意外と大きい富士山を発見して驚くことがある。飛行機上から雲の上に浮かぶ富士山もまた、独特のものだ。富士山は日本でもっとも高い山で、標高3776メートルある。飛行機は1万メートル前後の高さを飛ぶから、富士山をはるかな高さから見下ろすことになる。  日本人は富士山が好きだ。これまでわが国の画家にもっともよく描かれてきた山は、断然富士山だろう。地域の山を富士山に「見立てる」ことはかなり昔から行われてきたようだ。この地域富士は、一説には400近くあるという。  (2015.3.11)

デフレの正体

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 アベノミクス効果とやらで、世間の一部は好況らしい。株価や求人の数字は好調だという。しかし末端ではまた別の、むしろデフレの継続ともいうべき動きがあるようだ。  近くの飲料自販機の値段はどんどん下がって、いまやコーヒー100円が普通になった。消費税増税でいったん上がり、130円や110円が見られたが、現在は100円域が拡大しつつある。自販機の値段は設置者と販売会社が相談して決めると聞いたことがある。  東京でのマッサージ店の増加は著しい。ストレスや運動不足で肩凝りが増えたのか、東京に特に多いように思える。これも最近60分3千円を切るところが出始めた。これまでの相場は1時間6千円超だから、ほぼ半額になったわけだ。  近くに指圧、マッサージの専門学校があって、生徒とよくすれ違う。ほとんどアジア系外国人で、なぜか日本人と白人は見あたらない。中近東系も近頃散見されるようになった。毎年数十人は卒業していくのだから、マッサージ店の競争は激しくなる一方だろう。  駅前には牛丼屋、中華チェーン店があり、ハンバーガー店も3つほどある。牛丼だと400円もかからずにとりあえず満腹になる。中華、ハンバーガーも安いものを選べば、500円で昼飯はすむ。先日行った屋久島の外食は昼でも800~900円が相場で、500円以下はないとのことだったから、大都会の方が選択の余地があるのも皮肉なことである。   (2015.3.4)