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柿の実

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 赤い柿の実を見ると嬉しい気分になる。柿は常緑広葉樹で、北海道にはない。初めて北海道を出て京都に住んだときには、季節感が微妙にずれて面食らった。北海道は一斉に葉が落ちて、やがて冬が来る。  阿蘇時代、一念発起して干し柿づくりに挑戦した。なんとか出来上がって、ごく親しい人たちに配った。  朝日新聞の友人にも送った。しばらく経ったある日、天声人語に私が書いた添え書きの文章を発見して驚いた。  いわく、 「当家謹製干し柿 11月中旬に仕入れた阿蘇産渋柿を、1つ1つ丹念に皮をむき、熱湯をくぐらせ、軒下に吊し、天日に干すこと4週間余、根子岳おろしの寒風にさらされ、ほど良く仕上がったと自負しております。お茶請けに、または酒の肴に、田舎の暮らしを思い描きつつお召し上がりいただければ幸いでございます。心を食え!主人敬白」  どうも、酔った勢いで書いた気配である。 (2020.12.07)