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かつ丼

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 突然、かつ丼が食べたくなることがある。しかし、長いことおいしいのは食べてないなぁ。かつ丼はどこにでもあるが、これだというのにはなかなか巡り合わない。阿蘇時代、国道57号線沿いのドライブインでもの凄いかつ丼を食べたことがある。薄い汁というよりお湯が丼の半ばまで浸していて、じつに恐怖だった。あれほどまずいかつ丼は空前絶後である。もっとも周りを見わたしたところでは、かつ丼なんぞ注文している客はいなかったが。天丼、親子丼、かつ丼などの丼物はそもそも関東のものなのか、関西ではいまいちだったような記憶がある。  国分がまだ国分市だった頃、「こけし」というかつ丼屋に行った。かつ丼、カツカレーなどの店だった。かつ、玉子、玉ネギ、ご飯など、それぞれの大盛がある。ダブルカツスーパーというのが、全てが倍のものだっただろうか。文化の熟度は多様性にあるとの説に従えば、鹿児島国分・かつ丼の文化性は日本一かもしれない。  (2017.7.10)

日光・田母沢別邸

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 1年ぶりに日光へ行った。今回は田母沢別邸、―つまり大正天皇の夏の別荘ですねーを見物してきた。この別荘は全体で千数百坪あるらしく、じつに広大である。日光は標高が500から600メートル、さすがに涼しく風が心地よい。このところの東京は急に暑くなってきたところだから、なおさらである。むかし阿蘇のカルデラに住んでいたことがあるが、ここも夏は涼しかった。阿蘇はカルデラの底でも標高500メートルほどあって、日光と同じくらいである。  その数日前は、縄文杉発見50周年のイベントに呼ばれて屋久島にいた。屋久島は南の海に浮かぶ島で鹿児島市より暑いと思われているが、実際は市内よりかなり涼しい。夜などは肌寒いぐらいである。海風もあるがむしろ山から風が吹く。九州最高峰の宮之浦岳1936メートルから、冷たい風が下りてくる。 (2017.6.15)

今年のサクラ・その2

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 今年のサクラの開花は、全国的に遅いようだ。札幌はついこの間まで雪があった。3月末に鹿児島に行った。甲突川の桜並木は蕾もまだ固かったから、今年の鹿児島の開花は遅れたことだろう。  4月6日現在、東京都心はほぼ満開の気配である。4月4日、所用で上野に出かけた。週日の午後だというのに花見客でごった返している。サクラの樹の下の青シートは宴会の集団が占拠し、さらに新手の見物客が続々と集まってくる。歩くのにも苦労した。上野という花見の名所のせいなのかどうか、飛び交う言葉を聞くと、花見客の半ば以上が外国人だったようである。  考えてみると、花見は日本独特の文化、習俗かもしれない。その日本でもせいぜい関東あるいは関西の、それも近世以降に始まったもののようである。サクラは徒然草や西行の歌にも登場する。しかしこれは、いまのいわゆる花見とは違い、もう少し孤独で文学的な行為だったと思われる。  (2017.4.19)

サクラ、あるいは猫

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 どこかで梅でも見ようかと考えているうちに、サクラの開花に行き当った。東京の東の、錦糸公園である。早咲きの河津桜のようだった。昨年はたしか梅とほぼ同時咲いていたが、今年はなぜか桜が早い。桜の開花には1,2月の低温が必須条件で、暖かければ咲くというものでもないらしい。2年前に上野の科学博物館館長室で鉢植えのサクラを見た。ここ数年中では、この花が一番記憶に残っている。  大塚のよく行く本屋にネコの特設コーナーがあった。文庫本だけでもかなりの数があり、つまりそれだけ猫の本が出版されているということだろう。猫ブームもついにここまできたかと感慨深い。十何年か前、霞が関の役所を統廃合したときに、それまで総理府がやっていたペット関係の仕事を環境省が引き取ることとなった。犬猫も生き物だからというアバウトな理由で、当事者としては複雑な心境だった。  いまはどうか知らないが、鹿児島大のキャンパスではよく猫を見かけた。少なくとも十数匹はいたようである。夕方、構内で犬の散歩をさせている人が結構いた。夜陰にまぎれて猫に餌やりに来る人もいた。  (2017.3.6)

上野アメ横

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  所用で上野からアメ横へ行った。上野界隈は月に何度か行く。松坂屋デパートがあるしヨドバシカメラもあって、なにかと便利である。ちなみにアメ横とは、御徒町と上野駅の間500メートルに400の小さな店が連坦する商店街だ。魚介、乾物、衣料、雑貨屋が多い。雰囲気は焼け跡闇市風で、まさに戦後にできていまに至っているらしい。  少し時間があったので、御徒町からアメ横、上野駅近くまで歩いてみた。アメ横自体はほとんど変わっていないが、まわりに屋台風の居酒屋が増えているのには驚いた。鹿児島中央駅前の屋台村とは違って、1つ1つが大きい。店の前に椅子、テーブルが並べてあったりする。流行っているのは、開放的な雰囲気が好まれているのか、やっぱり安いからなのか。上野駅近くには「さいごう」という店もあった。何といっても上野は西郷だし。この店は立ち飲み屋だが、テーブル席も少しあるようだ。  写真の「大統領」という店はいつからあったのか不明だが、4時前だというのにほぼ満員である。外から見た感じでは、リタイア組のオジサンではなく、若い客が多いようだった。  (2017.1.27)

築地市場

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  12月半ば、築地市場に出かけた。ここも今年が最後になるかもしれないし。というか、例の騒ぎがなければ、11月にはすでに豊洲に移転しているはずだった。  土曜日ということもあって、思ったよりずっと人が多い。そもそもこの時期は人が多いのか、あるいは私と同様に今年限りの気分で来たのだろうか。中国人観光客が多いのにも改めて驚いた。中国への土産物には生鮮食料品はあまり向かないようにも思うが、定型の観光コースになっているらしい。昼食などとるにはいいのかな。  市場の面白さは、地域の経済や生活がストレートに感じられるところにある。いわゆる観光施設での情報には何かしらの「よそおい」あるいは「意図」が感じられるが、そうした感じは市場にはほぼない。  「時代」だからまあ仕方がないが、鹿児島中央駅前の朝市が少しずつ小さくなってきたのは寂しいことだ。たまに行ってみると、おばあさんが道端で松の枝や花、漬物を売っていたりする。  (2016.12.26)

銀座の白くま

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 11月の東京はクリスマスと正月が混在する。つい先日まで大騒ぎしていたハロウインは、もう影も形もない。上野駅構内に大きな熊手があった。最近は毎年出ているようである。  銀座を少し歩いた。それなりにクリスマス・モードだったが、まだ日があるせいか全体にやや地味目の印象である。あるいは今年という年が、そもそもそういう気分なのかもしれない。あちこちで工事中のところが多く、銀座も大きな変わり目のようである。  銀座の街はデパートがわかりやすい目印で、三越、松屋、松坂屋が銀座本通りに面している。その一角である松坂屋は現在閉店して大規模工事中である。なんでも高層の総合ビルになり、デパートはなくなってしまうらしい。  鹿児島の天文館では、電車通り沿いのタカプラから永田シロアリまでを再開発、ホテルその他の総合テナントビルにすると聞いた。ここのところ、中央駅アミュと郊外のイオンに押されて天文館はやや地盤沈下しているという。老舗繁華街のV字回復第1弾になることを期待したい。  (2016.11.22)

はまなすの丘海浜公園

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 10月半ば北海道石狩市へ行った。札幌の近くだからよく知っているようで、じつはあまり知らない。子供の時は海水浴に行ったような記憶がある。むかしは石狩町だったがいつの間にか石狩市になっている。  石狩市の南は小樽に接し市の最北は浜益(はまます)で、南北80キロと日本海に沿って長い。浜益の北に増毛町がある。この一帯は陸の孤島で、「増毛―雄冬」間の国道が開通したのは、なんと平成4年のことだ。それまでは雄冬への交通は船か山道しかなかった。  昭和54年に「駅STATION」という映画があった。その舞台が増毛だ。雄冬の実家に帰ろうとする高倉健が、吹雪による欠航で増毛に泊まる。増毛駅前の居酒屋の女将が倍賞千恵子。大晦日に2人で紅白歌合戦を見る。店に流れるのが八代亜紀の舟唄だった。倉本聰原作、降旗康男監督。  石狩市の南、小樽にまたがる広大な石狩新港の一角に海浜公園がある。矮性のはまなすがたくさん自生していた。遠くに見える石狩灯台は明治41年建設と古く、木下恵介の映画「喜びも悲しみも幾年月」(佐田啓二、高峰秀子主演)の舞台になった。  江戸時代から明治半ばにかけて盛んだった北前船は、カズノコや鰊など北海道の海産物を日本全国に大量に流通させた。薩摩藩は北海道の昆布を入手して琉球経由で中国にまで売り、大いに潤ったという。  (2016.10.30)

肉食系女子会

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 天文館に花椿三十郎という看板があった。新しくできた居酒屋らしい。表から見た感じでは、サラリーマンや学生向きの店だろうか。黒澤明の映画「椿三十郎」から取った名前のようである。封切られたのは昭和37年、半世紀も前のことだ。たしか正月に札幌の映画館で見た記憶がある。三船敏郎の椿三十郎と、仲代達也扮する室戸半兵衛との決闘シーンが迫力だった。当時は映画の全盛期だったが、なかでもこの映画はダントツの収益を上げたはずである。  池袋にときどき買い物に行く。自宅の大塚から山手線でひと駅と近いし、デパートや大型の本屋、名画座などもあって便利である。たまに友人と待ち合わせて飲んだりもする。先日は、池袋サンシャインビル近くの映画館で「後妻業の女」という映画を見た。大竹しのぶの悪女振りが評判だった。  先日池袋の西口を歩いていたら、飲食店などがたくさん入っている雑居ビル1階の焼肉屋に「肉食系女子会」の貼り紙があった。草食系男子の反対が肉食系女子で、最近、ますます女子強大化の傾向が際立ってきたようである。  ところで、いまどきの若いサラリーマンや学生、椿三十郎なんて映画、知ってるのかな?  (2016.9.26)

ハマナス

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 東京大塚の自宅から100メートル足らずのところに、ダチュラの花が咲く。樹高2メートルほどの木に、黄色い大きな花がたくさん咲いている。ときどき白い花もある。木はたまに行く蕎麦屋の敷地にあり、隣は有料駐車場になっている。いかにも南方の花の風情で、原産はブラジルだという。調べてみると、ダチュラとは同じ属の1年生草本を指し、この木はエンゼルトランペットということである。  この花を始めて見たのは二十数年前の屋久島である。本土にはなかなかない、インパクトのある花だった。屋久島は亜熱帯だとつくづく感じた。  8月24日は札幌にいた。ハマナスの花を見たかったがなかなか行き会えず、郊外でようやく見つけた。ハマナスは濃いピンクの花のものが多いが、白い花もあるようだ。中学生の頃、網走のオホーツク沿岸の砂浜に群生しているのを見たことがある。あれはたしか夏の終わり、今ごろの季節だったと思う。赤い実をたくさん取った記憶がある。  (2016.8.31)