東京の中の鹿児島
上野駅公園口を降りて左手に少し歩くと西郷像がある。ユカタ姿で犬を連れた、例の有名な銅像だ。犬は薩摩犬だという。維新後征韓論争に敗れて鹿児島に戻り、兔狩りなどをもっぱらにしていたころのイメージだろう。つくられたのは明治31年。
鹿児島の鶴丸城址の一角にある西郷像は陸軍大将の正装で顔もいかめしい。こちらは昭和12年建立。一見、鹿児島のものは武張って、上野は民主的な姿に見えるが、どうだろう。なお、どちらも顔はあまり似てないとの有力な説がある。
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上屋敷跡石板 |
明治維新を主導したからか、あるいは鹿児島から職を求めて東京へたくさんの人間がきたせいだろうか、東京の中にしばしば鹿児島を発見することがある。西郷像はその代表だが、注意して見ると飲み屋などの名前にも結構多いことに気づく。たしか銀座8丁目に甑島というのがあった。わが家の近くにも種子島という小料理屋がある。いずれも島の出身者のものだろう。
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しろくま |
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三岳ボード |
私が住んでいるのはJR大塚駅近くであるが、駅裏の小料理屋店先に「三岳入荷」という黒板があった。屋久島産の芋焼酎はいまや東京でもブランド化しつつあるらしい。(2012/7/23)