猫シリーズ

 とくだんの猫好きでもなかったが、いつの間にか家に2匹いた。古手は阿蘇で迷い込んできたのだから、平成7年のことだったろうか。もう1匹は、9年前、東京南大塚の路地に這いつくばっていた。前からいたネコは、残念ながら昨年夏に東京に引っ越してまもなく死んだ。

 だからというわけではないが、自然や町の風景を撮りに出かけると、ついでにネコの写真も撮る。犬や人間も撮るが、もっとも写しやすいのはネコである。人間はもちろん犬も飼い主が一緒のことが多いから、なんとなくカメラを向けるのがためらわれる。ネコも野良系だと動きがすばやくて、とても写真など撮らしてくれない。動物写真家の岩合光昭が書いたものを読むと、どこにいってもネコが自然に寄ってくるという。

 全国を歩いた感じでは、都会よりは田舎の、それも漁師町に多いような気がする。雪国を野良で過ごすのはキビシイのか、北国にはやはり少ないようである。

 鹿児島大学キャンパスにもたくさんいた。猫好きの教官がエサなどやっているらしい。東京でもどちらかというと下町で見かける。これは年寄りと小さな一戸建て住宅が多いせいだろうか。

 昨年奄美大島で、たぶん旧住用村だったと思うが、6人兄弟のネコがいた。カメラを向けるとサッと逃げたが、そのうち1匹ずつ戻ってきた。生後半年ぐらい? (2013/3/7)