某月某日その3

ざくろの花

 ざくろの花が咲いた。やや濃い目のだいだい色で、小さな緑の葉が密集した木に咲く。花も小さく、秋になるとあの赤い大きな実がなるのが不思議である。日本には平安時代に中国経由で入ってきたという。近頃八百屋で巨大なざくろを見かけることがあるが、あれはカナダ産だったかな。




ライラック

 ちょうど今ごろ、札幌ではライラックが咲く。これもたぶん北米から渡ってきたのだろうか。日本自生のものもあって、ハシドイという。北大植物園や、最近では札幌郊外にライラック公園なるものまでできた。それらを見るとじつにたくさんの品種があるようだ。本来北のものらしく、東京ではほとんど見かけない。




ほおずき市 

 7月は浅草ほおずき市だ。たしか7月の9日から10日だった。この日浅草寺にお詣りすると、1回で4万6千日分の御利益があるという。ほおずき市は全国あちこちにあるが、浅草がもっとも大規模で華やかである。浅草で売っているほおずきは、鉢植えが茨城、切り花は九州宮崎あたりから来るという。




口永良部島

 6月初め屋久島に行った。屋久島の12キロ先にある口永良部島の新岳が大噴火して、137人の島民全員が屋久島に避難した。現地はマスコミが溢れて大変だった。今度の噴火では9千メートルの噴煙が上がったというからすごい。桜島の噴煙はせいぜい2千メートル、大きくても4千メートル規模だから、今回の噴火の大きさがわかる。もっとも7300年前の鬼界ヶ島海底火山の爆発では、30キロ南の屋久島はもちろん、南九州全域が60センチの火山灰に覆われたという。

(2015.6.10)