純喫茶、和さんのこと

 むかしはあちこちにあった「純喫茶」を、最近はさっぱり見なくなった。その理由の第1は、チェーンの安いコーヒー店が激増してからでしょうね。もっとも、純喫茶を駆逐したコーヒーチェーンも、コンビニの100円コーヒーに追い上げられているというが。純喫茶なるものを東京で探してみたが、隅田川を渡った東のはずれの道路沿いに1つ上野駅の裏筋に1つ、ようやく発見した程度でほぼ絶滅に近い感じである。

 鹿児島では中央駅横にある「門」というのが近いが、この店には純喫茶の文字はない。そもそも「純」喫茶とは、アルコール類を出さない店ということだったらしい。女給付きカフェの全盛期は昭和初めだから、その頃純喫茶も出現したと思われる。いまもその定義が生きているのかどうかは不明であるが。


 鹿児島環境学の事務を一手に引き受けていた和さんが、この8月で勤めてから丸6年の任期を満了し、今月いっぱいで辞めることになるらしい。事務だけでなく、環境学本に載せたデータの、とりわけ私の論文のかなりの部分は彼女の作業の成果である。奄美や徳之島のシンポジウムや、種子島の視察など、あれこれ一緒にやりました。和(にぎ)という姓は、彼女と知り合わなけれ多分一生知らなかっただろうなぁ。

(2015.8.17)