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某月某日・その2

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 某月某日  柿の葉がいつのまにかりっぱに繁っていた。まだやわらかく優しげな色である。北海道には柿の木がなく、いまだにめずらしいと言う気持ちが強い。2年ほど前の鹿児島時代、農家の庭の柿がたわわに実をつけている景色を撮りたくて、あちこち回った。どこにでもありそうだが、なぜか1本もない。薩摩半島中を走り回って探した記憶がある。それでも、ない。どこの町だったか、道沿いの果物屋で聞いたら、同年の2,3月に季節はずれの雪が降り、おまけに霜で、花芽が全滅したとのことであった。 某月某日  自宅から10メートルほどのところに駐車場を借りている。先日車を動かそうと思ったら、ネコがいる。車の下から塀によじ登った。まるまると太って、しかし、すばしこそうである。写真を撮るのに1メートルまで寄ったが、別に逃げる風もないから、おおむね近くの飼いネコだろう。界隈に半ノラというか半飼い猫状態のは何匹かいるが、やはり毛艶などがいまいちである。駐車場ネコの隣のりっぱな木はビワの木。 某月某日  最近評判の、渋谷の先にある代官山蔦屋に行く。まったく新しいタイプの本屋である。ゆったりとした敷地に低層の建物が3つ、これが蔦屋本体。歩道や屋外の休憩スペースは広くとってある。本を読む場所は建物内にもあって、これも広い。店内のスターバックスから、コーヒーなどテイクアウトできる。ファミリーマートの色も地味であった。本は見た限りは美術系、ビジュアル系のものが多く、文庫、新書などはごく少ないようだ。    新しい本屋への意欲的な試みであり、好感をもった。しかし、店も町も、使う人間がつくる。1,2年経ってみないとほんとうの評価はむずかしいだろう。(2013/5/16)

京都行き

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 某月某日  4月の半ばに京都へ。今年は桜が早いのでなかばあきらめていたが、それなりに残っていた。さすがにソメイヨシノは葉桜に近かったが、枝垂れの薄いピンクはどこもほぼ満開。 京都の夕方以降は、東京よりむしろ気温が下がる。一番北は大原三千院まで行った。門前の茶店ではストーブを焚いていた。あちこち見物したが、今回よかったのは真如堂。京大近く、吉田山の一角にある。モミジの新緑が鮮やかだった。むかしは誰もいない場所だった。  京都に行って時間があると、四条通り近くの市場、錦小路を覗いてみる。前からその兆候はあったが、観光客相手の店が増えている。むかしは市内の料理屋など、専門家相手の食材屋が多かった。いまや、ファンシーグッズ店、チェーンの喫茶店なども進出している。  泊まったホテルは長州藩邸跡に建つ。御所近くの薩摩藩邸跡は同志社大学になっているらしい。今回発見した京都・鹿児島のカケラは、錦小路で見かけた空豆。指宿方面産かな?  帰りの新幹線、快晴で富士山がよく見えた。雪がかなりある。やっぱり、寒い。 (2013/4/15)

開花宣言

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 今年のサクラは早い。東京は3月16日に開花宣言した。靖国神社に標準木というか標準枝があるらしい。  しかし16日に行った六義園のしだれ桜はまだまだの気配、ようやく二、三輪が咲いていた。このあたたかさだと、来週、3月24,25日ごろが満開だろう。  六義園は、元禄時代18世紀初めに柳沢吉保がつくった大名庭園である。明治初年に岩崎弥太郎が購入した。戦前に東京市に寄付され、いまは東京都が管理している。9ヘクタールの庭園の中心を大きな池が占め、その周りを回遊して楽しむ。奥の小高いあずまやから、全景が見わたせる。池にはキンクロハジロの群れと大きな鯉がいた。  何年か前、鹿児島知覧近くの山中で偶然大きな山桜を見た。ソメイヨシノにはやや食傷気味だったので、素朴な花と大木の幹が新鮮だった。  甲突川のソメイヨシノは、花の咲き方に難がある。暖かすぎて一斉に花が咲かないような気がするが、どうだろうか。  東北にもサクラの名所は多い。弘前城は一度行ってみたいと思いつつ、いまだ果たしていない。  宮城県陸前高田市は、市の中心部が津波で壊滅的被害を受けた。7万本の高田松原の、この写真の1本だけがかろうじて残った。結局枯死したこのマツに、プラスチックを注入して復元したとのニュースを最近聞いた。  東北も今年は雪が多く寒いというが、被災地のあちこちには今年もサクラが咲くだろう。 (2013/3/18)

猫シリーズ

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 とくだんの猫好きでもなかったが、いつの間にか家に2匹いた。古手は阿蘇で迷い込んできたのだから、平成7年のことだったろうか。もう1匹は、9年前、東京南大塚の路地に這いつくばっていた。前からいたネコは、残念ながら昨年夏に東京に引っ越してまもなく死んだ。  だからというわけではないが、自然や町の風景を撮りに出かけると、ついでにネコの写真も撮る。犬や人間も撮るが、もっとも写しやすいのはネコである。人間はもちろん犬も飼い主が一緒のことが多いから、なんとなくカメラを向けるのがためらわれる。ネコも野良系だと動きがすばやくて、とても写真など撮らしてくれない。動物写真家の岩合光昭が書いたものを読むと、どこにいってもネコが自然に寄ってくるという。  全国を歩いた感じでは、都会よりは田舎の、それも漁師町に多いような気がする。雪国を野良で過ごすのはキビシイのか、北国にはやはり少ないようである。  鹿児島大学キャンパスにもたくさんいた。猫好きの教官がエサなどやっているらしい。東京でもどちらかというと下町で見かける。これは年寄りと小さな一戸建て住宅が多いせいだろうか。  昨年奄美大島で、たぶん旧住用村だったと思うが、6人兄弟のネコがいた。カメラを向けるとサッと逃げたが、そのうち1匹ずつ戻ってきた。生後半年ぐらい? (2013/3/7)

看板

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 東京台東区、スカイツリーの少し先でこんな居酒屋を見つけた。しかし、「かずの子」というネーミングはいかにも大胆不敵である。いったいどういう発想なのだろう。まさか女将の本名ということもないだろうなぁ。同じ台東区の谷中銀座入口にあった「質屋おぢさん」、いつからこの名前でやってるのだろう。 かずの子 質屋おぢじさん  全国をあちこち回っていると、なかなかシブイ店名に出会うことがある。函館の町に「正義堂」という看板があった。たぶん時計屋かなんかだろうと思いながら、近づいたら焼鳥屋だった。うーん。  むかし英語に感じの当て字をする店の名前、たとえばライムライトを「来夢来人」とするタグイが流行ったことがある。いまだに田舎にはけっこう残っている、スナック多恋人(タレント)その他。いや、東京にもまだあるか。 銀座・鈴木女史看板  銀座4丁目交差点の一角、三越デパートの向かい側ビルの屋上に、鈴木その子の大きな看 板があって、思わずギョッとする。美容、栄養評論家?の本人は、とうに亡くなっているのだが。20年ぐらい前だったろうか、テレビのコマーシャルで何度かその子女史を見たことがある。化粧の厚さと白さは相当の迫力だった。 うなぎの末吉 沈壽官・大黒  苗代川・沈壽官窯、即売店の屋根に大黒様が乗っている。一見古びた気配がある。もしかすると韓国からでも持ってきた由緒あるものだろうか。あるとき現・沈壽官氏に聞いたら、「あれはオヤジ(14代)が遊び半分につくったものだ」とのことであった。(2013/2/12)

年末年始

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銀座・ブルガリ  今年は東京で5年ぶりの年末と年始である。クリスマスツリーなどあちこち見て歩いた。 LED照明も進化しているようであるが、不況のせいか、小振りのモノがあちこち氾濫気味で、さすがにやや飽きてきたかな。  買い物に行った銀座・ブルガリのヘビには驚いた。ブルガリのビルを一周している。まあ、今年の干支はたしかにヘビではあるが… ブランド店など、どこもそれなりに工夫していたが、個性という点ではこれがダントツだった。 鹿児島中央駅ツリー 鹿児島中央駅前ではたしか3年ぶりでツリーが立てられた。まえに見たものよりすこし地味めだったかな。ツリーの横の柱にサンタがしがみついていた。3年前もしがみついていた記憶がある。   都電・三ノ輪駅 いま住んでいる大塚にはJR山手線と都電の駅がある。都電はほぼ廃止されて、早稲田と三ノ輪間12キロだけがかろうじて残る。正月に乗ってみたが意外と速い。最高時速40キロ出ることもあるらしい。もっとも小刻みに停まる。大塚から終点の三ノ輪まで30分、しごく呑気な乗り物である。近隣の、それも年寄りにとってはなかなか便利な乗り物のようだ。ちなみに、昨年は都電開業110周年だった。 札幌大通公園・イルミネーション  今年は寒く、北国では大雪が降っているらしい。12月初めに札幌に行った。最近のこの時期にはめずらしく、札幌も雪であった。大通公園のイルミネーションはそれなり、テレビ塔がいつになくキレイに見えた。   雪の桜島  鹿児島時代、雪の桜島の写真をなんとか撮りたいと思っていた。なかなか都合よく降らない。2年前の正月にようやく待望の大雪が降った。元旦に滑る雪道を車で上がって、城山観光ホテル前庭から撮った写真がこれだ。鹿児島で通算8回の正月を過ごしたが、これほどの雪が積もった桜島はこのときだけだった。(2013/1/4)

映画

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高峰秀子・浮雲   女優高峰秀子の最高傑作「浮雲」は昭和30年に公開された。舞台はもちろん屋久島である。浮雲の宿というホテルが安房にまだある。経営者は何代か変わったようであるが。相手役は森雅之、戦後の混乱期に職を求めて屋久島に渡り、営林署勤務という役どころだ。  映画産業と最盛期は昭和33(1958)年、年間13億人が映画館に足を運んだ。現在は1億数千万人だから、映画人口は10分の1程度になってしまった。最近映画館に行ったのはいつ?と聞かれて即答できる人はあまりいないだろう。映画好きのわたしでも危うい。たしか鉄の女「サッチャー」だったかな。とすれば半年前のことになるのか…  都城市・看板  テレビが映画を駆逐したのはたしかなことだ。なにせ、タダだし。最近の脅威は、レンタルビデオ店の存在だろう。新旧だいたいの映画は揃ってるし、こちらの都合でいつでも借りられる。新作のレンタル化も、最近はとくに早くなったようだ。  何年か前、都城市に行った。町はずれの飲み屋街に映画の看板が懸っていた。映画館ではないようだから、ディスプレーの一種だろう。 夕張・看板  北海道の夕張市では前から映画祭をやっている。市が再建団体化したあとも続いているようだ。街には映画の看板があちこちにあったが、なんとなく淋しい感じは否めない。 加計呂麻島・ディエゴ並木   鹿児島を舞台にした映画はたくさんある。高倉健の「ホタル」は垂水市、釣りバカ日誌は甑島だった。山田洋次は奄美好きで、男はつらいよのテレビ版最終回は奄美大島、映画の最終48作目は奄美大島の先の加計呂麻島である。海際のディエゴ並木の奥に家のセットが残っているという。(2012/11/15)

紅葉

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 北国育ちにとっての秋は、長い冬の予感が強くしてやや曖昧な気分の季節である。しかし日本人は、桜とならんでこの紅葉の季節が好きだ。京都への観光客は紅葉の盛りの11月がもっとも多い。何年かまえの11月下旬、所用で京都市内のホテルを探したが、どこにも空き室がなくて困りはてたことがある。 支笏湖畔・イタヤカエデ  東北観光は十和田湖や奥入瀬の紅葉時期というのがむかしからの定説で、つまり10月中下旬。ここの紅葉、黄葉がおわると東北は急に淋しくなる。北海道もほぼ同様だ。支笏湖は10月中旬、札幌は少し遅くて下旬だろうか。 人吉城址   九州は常緑広葉樹が基本で紅葉する木はほとんどない。雲仙や久住山などをのぞけは紅葉の楽しみは少ない。ヤマハゼが山中にぽつぽつと紅くなっているぐらいだ。徳之島の知人が紅葉を見たくてカエデの木を買って庭に植えたが、青い葉のまま落葉したという。紅くなるために必要な低温期が奄美にはそもそもないのだろう。  そうはいっても植樹したカエデは九州にもたくさんある。鹿児島から高速道路で1時間半の人吉城址は、城壁の石積みと紅葉の対比があざやかだった。 日比谷公園・首懸け銀杏  東京にも紅葉の名所はある。しかし東京を代表するのは、やはりイチョウの黄葉だろう。イチョウは都の木でもある。明治神宮外苑に大木の並木がある。東京駅から皇居にむかう道の両脇もイチョウ並木だ。東大のシンボルマークはイチョウ、校章、徽章などに使われている。キャンパス内には大きな木の並木があちこちにある。大学前の本郷通りもイチョウ並木だ。日比谷公園に「首懸けの銀杏」という大木がある。まがまがしい名前だが、伐られそうになったときに、自分の首を懸けても移植保存を主張した明治の学者の故事にちなむらしい。 鹿児島大学・鍾馗水仙 鹿児島でのちょうど今頃の楽しみのひとつは彼岸花見物で、しばしば郊外に出かけたりした。いつだったか、鹿児島大学植物園に黄色の彼岸花を発見して喜んだことがある。今月初めに大学を歩いていると、暗い森にこの黄色い花が咲いていた。稲とともに中国から渡ってきたこの植物は、おおむね赤、ときに白花のものがある。黄花のものは鍾馗水仙(ショウキズイセン)といい、彼岸花の近縁種らしい。(2012/10/15)

ゆるキャラ

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せんとくん  京都駅前のホテルに「せんとくん」がいた。小坊主のあたまに鹿の角らしきものが生えている。異様といえば異様な姿で、一時、不気味だのそれなりに可愛いだのという議論で盛り上がった。その議論があったせいかどうか、いまはむしろ人気が出てきたようである。もともとは、2010年の平城遷都1300年祭のためのイメージキャラクターだった。  都道府県をはじめ全国のかなりの自治体がこの手のキャラクターづくりをしているという。おおむね素朴で単純なものが多く、これらを総称して「ゆるキャラ」という。同種のものはむかしからあったような気もするが、いまのようなブームとなったのはここ10年ぐらいのことだろう。 阿蘇にいたくまモン  いまや100を軽くこえると思われるゆるキャラの中で、もっとも成功しているのは、熊本県の「くまモン」だろうか。熊本だからクマでそれにカタカナでモンを付けた。単純そのものの発想だが、メタボ風の体型と顔に愛嬌がある。やはりデザインの勝利だろう。2011年のゆるキャラグランプリ(というものがあるらしい)チャンピオン。熊本にはくまモングッズがあふれている。  ちなみに東京都には「パンダ慶次郎」というのがあるらしいが、見たことはない。名前を聞いただけで、どうもあまり受けそうもない気がする。 ツシマヤマネコ着ぐるみ  この手の発想は行政にもある。環境省の絶滅危惧種対策の一環として、動物の着ぐるみ人形をつくっている。これまでのところもっとも人気があるのは、ツシマヤマネコの着ぐるみで、猫系は絵になりやすいのだろう。トキやアマミノクロウサギもそれなりに人気はあるらしいが、その姿には賛否があるようだ。 ぐりぶーと友だちのさくらちゃん  ちなみに鹿児島県のゆるキャラは「ぐりぶー」、黒豚?のあたまに木が生えている。グリーンとブタからきてるのかな?ぐりぶーの評価は… 読者の判断にまかせたい。(2012/9/25)

某月某日

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某月某日 夕張「幸せの黄色いハンカチ」ロケセット。 炭鉱住宅も映画用につくった   北海道、夕張へ。ここは財政破産した市として一躍有名になった。町を歩くとたしかに淋しい。イベントとして映画祭を始めたのは1990年のことだ。町中に手書きの大きな映画の看板がたくさんあった。町のはずれに、高倉健主演「幸せの黄色いハンカチ」のロケ地跡が観光施設として残されている。管理人とおぼしき男が歩いていたほか、だれもいなかった。 某月某日 徳之島闘牛・女性勢子  徳之島の闘牛を見た。激しい。闘牛そのものも激しいが、応援がまたすごい。勝負が着くと、関係者がなだれ込んで舞い踊る。子供が勝った牛に乗ったりする。勢子は牛を励まし闘わせる役目で、危険だからもっぱら若者の仕事である。このときは女性の勢子がひとりだけいた。二十歳ぐらいだろうか?鋭い、いい眼をしていた。 梅原猛さん。右上の額の書は自筆  某月某日  京都銀閣寺近くの、哲学者梅原猛さんの家に行った。22年前の縄文杉登山の話などで盛り上がった。もう80代後半のはずだが気力旺盛、眼鏡なしで細かい字も読む。鹿児島のかるかんが好物だという。梅原邸は哲学の道の南の端にある。もちろんそんなヤワな名前の道は歩きはしない。 某月某日 夕陽の開聞岳  開聞岳の写真はむずかしい。海に突き出しているせいか、いついっても逆光になる。しかしこの山の姿は美しい。葛飾北斎の富士はむしろこの山に似ているのではないだろうか。彼の富嶽三十六景では、現実の富士より高さを強調してある。その方が絵になるとの芸術的感性だろう。1年ほど前にホテルの窓から見た夕陽の開聞もよかった。飛行機雲が右手に見える。(2012/9/11)